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レポート:【第86回ウェビナー】「Twitterフォロワー約50万人!!『ドン・キホーテ』(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス社)のSNS活用術」

2022.06.15 最終更新日:2022.06.29

6つのSNSを目的・ユーザー層別に使い分け

桑江:御社はTwitter、Facebook、TikTok、YouTube、InstagramなどさまざまなSNSを活用していますが、フォロワー数が一番多いのが50万人を超えるTwitterです。
さらに、公式アカウントのフォロー数も1.5万人と他企業に比べて多い印象ですが、社内ではどのような位置付けでSNSを運用されているのでしょうか。

増田:プラットフォームごとに使い方や発信方法を分けていますが、主に商品・サービス情報の発信や販促に利用しています。
販促以外で一番重視しているのは、お客様とのコミュニケーションツールとしての活用ですね。

桑江:なるほど。それぞれのプラットフォームは、どのように使い分けてらっしゃいますか。

増田:Twitterに関しては文字情報とリアルタイム性が特徴だと考えていて、基本的には情報の拡散やフォロワー様、ユーザー様との即時的なコミュニケーションが主目的です。
Instagramは画像やハッシュタグ検索が中心のプラットフォームと考え、コミュニケーションというよりは商品の紹介、特に使用方法や使い心地、Twitterでは表現できない詳細な情報を発信するよう心掛けています。
また、20代を中心に前後の世代の女性をターゲットに見据え、発信しているのでコスメ、ヘルスケアの商品が中心です。フィード投稿以外にもストーリーやリールを活用していて、今後はインスタライブなども進めていきたいですね。
TikTokについては、ドン・キホーテ公式アカウントと公式キャラクター・ドンペンのアカウントの2つを運用しています。
ドン・キホーテ公式に関しては基本的にTikTok内で流行しているコンテンツを取り上げ、それに乗る形で動画を作成・投稿していますが、Instagramのリールと似た要素もあるので、InstagramとTikTokの担当者が協力して発信することも多いですね。
公式キャラクターのアカウントは、ドンペンを広く知ってもらうブランディングのツールとして運用しています。

桑江:なるほど。

増田:YouTubeは社員ユーチューバーさとぺんを起用し、毎週金曜午後6時に動画を1本ずつアップしています。
通常の店内では見られないドン・キホーテの「裏側」を紹介することで、お客様に新たな発見をしていただくのと、さとぺんを通してドン・キホーテのファンを増やしていくのが主な狙いです。
Facebookはユーザーの年齢層が比較的高く、ビジネスパーソンが中心なので、オフィシャルの情報をストレートに発信するよう心掛けています。どちらかと言うと、広報的側面が強い内容ですね。
もう1つ、LINEも活用していて、発信は各店舗に一任しています。
私の部署では各店舗の発信内容の相談や全体管理を担い、最近はドン・キホーテ公式LINEも立ち上げました。
弊社のサービス「majica」アプリと連動して使えるように運用させていただいています。

SNS上の話題に食い込むことが目標

桑江:今後、新たなSNSが出てきた場合、どのような流れで活用を検討されるのでしょうか。

増田:まずはプライベートでいろいろな使い方を試してみて、上司に「こういうアプリが出て、このように活用できそうだ」と伝えます。
その上で、企業として導入するかどうかを判断することになるでしょう。

桑江:SNSの運用に当たり、特に心掛けてらっしゃることはありますか。

増田:SNS全体で「スマホの中でもドン・キホーテを」というテーマを掲げています。
今はレビューサイトなどが普及し、商品の口コミ投稿などを検索するのが当たり前の時代です。
商品を購入された方の動向が購入するかもしれない層に大きな影響を及ぼしていて、TwitterやInstagram、TikTokの検索機能を使って「タグる」ことも増えています。
そうした中でSNS上での露出を増やし、インプレッション、エンゲージメントを高めるほど潜在的なお客様に情報が届くはずです。
ドン・キホーテは小売りですが、今やほぼすべてのサービス・商材が競合になると考えています。
スマホを開いたらドン・キホーテの話題があり、SNS上の話題に食い込むことがSNSチームとしての最終目標です。

自社に関するポジティブ投稿を探してアプローチ

桑江:あるプラットフォームで成功した施策を、別のプラットフォームに応用して成功した例はありますか。

増田:ドン・キホーテに関するポジティブな投稿をしていただいた方には、こちらから積極的にアプローチしています。
もともとはTwitterで始めたのですが、InstagramやTikTokでも試したらフォロワー数が増えました。

桑江:フォロワーの反応をどのようにキャッチし、分析されていますか。

増田:ドン・キホーテに関するワードを30個ほど抽出し、エゴサーチでそれぞれに引っ掛かる投稿を常にチェックしています。
その中でドン・キホーテに対してポジティブ、好意的な投稿をされている方がいらっしゃれば、こちらから声を掛けるようにしています。

桑江:ネガティブな投稿には、どのように対応されていますか。

増田:さまざまなご意見などに対してはカスタマーサポートという別部署がリサーチしていて、お客様の問題解決に向けて素早くコンタクトを取るようにしています。

「ぶっちゃけ安くないのもある」…自虐ツイートが大バズり

桑江:2021年11月29日(#いいにくいことをいう日)、「ぶっちゃけ安くないのもある」という自虐ツイートがバズりました。この投稿は、どのような経緯で実現したのですか。

増田:自然発生的に生まれたという方が近いのですが、「いいにくいこと」を「あまり認めたくないけれど本当のところ」と解釈して考えました。
ドン・キホーテは「驚安」が売りですが、SNS上では「ドン・キホーテなのに高価な商品を売っていた」「他店の方が安かった」という書き込みも散見されていることも知っていました。
可能な限り驚安商品をお客様へご提供していきたいですが、そのようなことがあるのも事実なので、「本当のところ」を自虐的に投稿させていただきました。

出典:https://www.iza.ne.jp/article/20211130-MUUQ4MRECNFYNMLIMGL2JDPK3I/

桑江:企業の中にはトレンドワードなどに安易に乗り、炎上してしまったケースもあります。SNS投稿に関する社内の審査フローをお聞かせください。

増田:私が考えたツイートの文案はもう1人の担当者がチェックしていて、アップしていいかどうか迷った場合は投稿を見送るようにしています。
ネタとして扱う際は、自分たちのことを語るのは問題ないと判断している一方で、他者や他の企業様など、自分たち以外のことを語るときは細心の注意を払っています。
今回は自社に関する内容だったので大丈夫だろうと判断しました。

Twitter上のやり取りから生まれた異業種コラボ

桑江:SNS運用を通じて感じたポジティブな側面はありますか。

増田:SNSはマスメディアとは異なり、即時的な双方向のコミュニケーションツールで、数万人から数十万人規模に発信するミドルなメディアだと考えています。
ただし、SNSのコミュニケーション形態は全く新しいものだとは考えておりません。
例えば、ひと昔前の商店街の店主のような存在ですね。お得意様に商品を勧めるだけでなく、あいさつや世間話など商売に関係ない話もするスタイルに通じるものがあるのではないでしょうか。
普段の何気ない声掛けからドン・キホーテに親しみを持ってくださり、いつも近くにいるように感じていただけるツールがSNSだと考えています。

桑江:御社の場合、SNSを駆使した他社とのコミュニケーションにも積極的に取り組まれていますね。

増田:はい、カルビー様のTwitter担当の方と会話を重ねて新たな味のポテトチップスを作り上げ、発売に至った事例があります。
商品が完成してドン・キホーテの店頭に並んだときは、SNSを担当していて良かったと思いましたね。SNSを通じて目指してきたことが実現した喜びもあったので、強く印象に残っています。
Twitter上の会話もフォロワー様に見ていただき、「もっとやり取りしてほしい」「会話が楽しい」「商品を買ったよ」といったリクエストや応援をたくさんいただきました。
また、実際に売り上げも大きく伸びたので、反響の大きさを実感しましたね。

桑江:新たな味が出来上がるまでの過程をつぶさに見ることができたことから、商品への愛着が深まった方も多かったのではないでしょうか。

増田:そうですね。Twitter上の会話を覚えてくださっていたお客様から「やり取りが面白かったから買いました」というメッセージをいただいたのが、すごく印象的でした。

桑江:そのようなコラボレーションのきっかけとなる機会が増えればいいですね。

増田:新型コロナウイルスの感染拡大前は企業のSNS担当者が集まる会合があり、様々な方にごあいさつさせていただきました。
「お互いに頑張っていきましょう」という形で親睦を深めさせていただきましたが、実際にお会いしたことでSNS上での会話もかなりしやすくなりました。
コロナ禍が落ち着けば集まることができる機会も増えるでしょうから、ぜひまたお話しさせていただきたいと思っています。

さまざまな炎上理由を想定したリリース文を準備

桑江:SNSのデメリットやリスクなどネガティブな側面は、どう捉えてらっしゃいますか。

増田:SNSは情報の拡散が速いのが特徴ですが、たった1つの投稿で今まで積み上げてきたものをすべて失ってしまうことも起こり得るのは、すごく怖いことだと思っています。
これまで大炎上などを経験したことがないからといって、今後も絶対に起こらないという保証はないという前提を忘れないように日々運用しているところです。
また、弊社は炎上を未然に防ぐためにどうしたらいいか、万一発生したらどう対応するかという2つの観点に立ったSNS運用マニュアルを作成しており、SNS運用に携わるすべての従業員が内容を熟読して把握することに努めています。
さまざまな炎上理由のパターンを想定したリリース文も用意し、正直に素早く対応するために備えています。

桑江:すでに協議と確認を終えたスタンバイコメントがあるので、いざというときは速やかに公表できるわけですね。

増田:トラブルが発生した際は、できるだけ早く手を打たなければならないと考えています。
何かが起きてから協議を始めると初動が遅れてしまいかねませんが、事前に文言を用意しておけば多少アレンジするだけで対処できますから。

「年齢」「性別」など7つの分野には触れない

桑江:その他、リスク対策の方法や投稿時に気をつけてらっしゃることはありますか。

増田:SNSはさまざまな方が見るメディアなので、弊社のSNSチームでは投稿を避けるべき7つのセンシティブな分野を共有しています。
具体的には「年齢」「性別」「容姿」「差別」「政治」「宗教」「スポーツ」のカテゴリーです。
投稿の際に最も気をつけているのは、自分がどういうつもりで発信するかということではありません。相手にどう伝わる可能性があるかを常に気に掛けるようにしています。

桑江:その上で、迷ったときは投稿しない、別の担当者の確認を取るといった備えを徹底されているということですね。

増田:自分では想像もできなかったロジックで解釈をされることもありますので。

他社、お客様と一緒に良い商品を生み出すためのツール

桑江:今後、新たに実施したいとお考えになっているファンとのコミュニケーション、企画はありますか。

増田:他の企業様やフォロワー様、お客様と一緒になってドン・キホーテをつくり上げるための取り組みを考えています。
カルビー様と同様、さまざまな企業様との積極的なコラボレーションや、お客様のご意見を取り入れて商品が完成するまでのストーリーも共有できるような企画を練るつもりです。
ちなみに、弊社のプライベートブランドである「情熱価格」は同じPBでも「ピープルブランド」と称し、お客様のご意見を特設サイト「ダメ出しの殿堂」で募りながら商品を開発・改良するというコンセプトを打ち出しています。
Twitter上でも「情熱的改善要求」というハッシュタグを付けて投稿してくださればキャッチできますので、ぜひ「この商品をこうしてほしい」といったご意見をいただきたいですね。

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