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「つまみ食い」炎上にみるSNS時代における「問い合わせ」の重要性

公開日:2020.03.01 最終更新日:2023.06.01

※この記事は雑誌『美楽』2020年3月号の掲載内容を一部修正の上、転載しております。

昨今、SNSや口コミサイトに投稿されるサイレントクレームが問題になる一方で、ホームページなどの窓口に寄せられるクレームにも一層の注意が必要になっています。

2019年11月2日、商業施設Aに展開するクレープ販売店Bに対して、ツイッター上で顧客からのクレームが投稿されました。

その内容は、同店の女性従業員が調理場で「つまみ食いを行っていた」「指を舐めた動作があった」というもの。該当の投稿は瞬く間に拡散し、「不衛生すぎる」と非難が殺到。1日当たりのクレープ販売店Bに関する投稿は平時の10倍にあたる5千件にも上りました。

問題の投稿から2日後の11月4日、運営会社は公式ツイッターで今回の衛生事故に関する報告と謝罪を行いました。また、全従業員の再教育と店舗のチェック体制強化を約束し、再発防止を図ると説明しました。

しかし、最初にクレームを投稿したアカウントから「公式サイトに全く同じ文章を送ってました」「SNSで炎上したから反応してくれたんですね」という指摘が入り、事態は再炎上します。

翌11月5日、この問題を受け、商業施設Aの公式ツイッターアカウントはスタッフ研修を理由に該当店舗の臨時休業を発表しました。

そして11月7日、クレープ販売店Bの運営会社であるキャラクターグッズ企画・販売事業C社は、該当店舗の無期限休業を決定。開催予定だった2つのイベントについても、一方は中止、もう一方も延期を発表したのです。

今回の問題で注目すべき点は、問い合わせ対応への不備が発覚したことによって、事態が悪化したことです。

ネット上で投稿されている悪評や中傷に注意を払い、商品やサービスの改善につなげる重要性は今後さらに高まります。しかし、ホームページの問い合わせフォームや店舗の担当者に寄せられるクレームを軽視してもよいことにはなりません。

むしろ、個人の持つ情報の発信力が強まっているからこそ、問題が顕在化し、影響が大きくなってきてから対応するという「二枚舌」は消費者への不誠実として断ぜられます。

これからのクレーム対応は、ウェブ上に発信されるものと、自社に直接寄せられものを両輪として進めなければならないのです。

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