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ボートレースのCM炎上から考える、クリエイティブチェックの必要性について

公開日:2020.11.01 最終更新日:2024.01.26

※この記事は雑誌『美楽』2020年11月号の掲載内容を一部修正の上、転載しております。

俳優のTさんと女優のRさんが出演するボートレースのテレビCMが性的な意味で捉えられかねないとして物議を醸しています。

動画は、Rさん演じる新人レーサーが、Tさん演じるボートレーサーに勝負を挑むといった内容で、CMの終盤、レースに勝利した新人レーサーは「抜いちゃった」とささやきます。

このシーンに対し、性的な印象を受け不快に感じた人がいたようです。ツイッター上では、「その類のCMはこれまで散々炎上したの知らないの?」といった声や、「競艇は『男女が同じ条件で戦う』ことができる素晴らしい競技なんだから、こういう表現にも気を使ったらいいのに。」といった投稿が行われています。

また投稿数について確認すると、放映が始まった6月29日には「ボートレース」と「CM」を含んだ投稿は2,000件を超えており、CMに対する批判が集まったことがわかります。

では、事前にこのような批判を想定することはできなかったのでしょうか。過去にもCMの表現に対して炎上した事例があり、今回の批判も防げた可能性があるのです。

例えば、飲料メーカーA社が公開した新商品のPR動画では、出張先で現地の女性と出会い、食事をともにする様子が描かれており、出演している女性たちが「肉汁いっぱい出ました」「コックゥ~ん!しちゃった」などと発言します。これに対しても性的な表現で不快だという批判が集まりました。

また、タレントのDさんが出演したとある県のPR動画では、観光アピールとは無縁の性的なメタファーが至るところに散りばめられ、県に対する苦情の電話やメールが寄せられていました。

このようにCMにおける性的な状況・行為をほのめかす表現を巡っては、これまでもたびたび話題に上がってきました。批判されることで注目度を高められる一方で、「女性の尊厳が守られない企業ではないか」とのイメージを抱かれるリスクがあります。

歴史に学び、ジェンダーに関しての炎上を再び繰り返さないためにも、CMなどによる広報活動ならびにその表現については、何が危うい表現にあたるのか、炎上するリスクはないのか、多角的な視点からの検証が必要なのです。

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