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すべてのコミュニケーションが晒される!大手牛丼チェーンの炎上事例から考えるSNS時代の顧客対応

2022.05.25 最終更新日:2022.05.27

SNSが普及した現在、企業の顧客対応の失態は瞬時に拡散され、一般の消費者も含めた批判を招いてしまいます。キャンペーンなどを企画する際はそのようなリスクの種を排除し、問い合わせなどへの初期対応の適切さも精査しなければなりません。企業のコンプライアンスに向けられる世間の目が厳しさを増す中、誤った対応によるダメージを防ぐ方法をご紹介します。

キャンペーン企画の条件を「後出し」で変更

「hindsight is 20/20」、あるいは「twenty-twenty hindsight」という英語のことわざを聞いたことがあるでしょうか?

「hindsight(ハインドサイト)」とは「後知恵」のこと。英語のことわざを分かりやすく説明すれば「物事が終わってからあれこれ批判したり意見を述べたりするのは簡単だ」という意味で、日本語では「後出しじゃんけん」と言い表されます。

「後出しじゃんけん」と聞くと「ずるい」「不公平」といった良くないイメージが浮かぶかもしれませんが、企業のマーケティング戦略などでは、ライバルの出方を見極めてから自社の判断を下す方が賢明な場合が多々あるでしょう。

もちろん、そうした手段を使って大切な顧客を翻弄するのは許されず、それを指摘した顧客に対して開き直ったかのような対応を取ってしまうのは論外のはずです。

SNSアカウントなどが炎上した企業事例も枚挙にいとまがありませんが、大手牛丼チェーンのA社が自社の顧客、しかもヘビーユーザーに浴びせてしまったのは、まさに「後出しじゃんけん」と「開き直ったかのような対応」でした。

顧客の問い合わせに「訴えるなら弁護士が対応」

事の発端は2021年7月、A社が人気少年漫画とのコラボレーションとして開始した「お名前入りオリジナル丼」プレゼント企画です。

マイル(米札)を貯めると牛丼の無料券などと交換できる仕組みで、最も豪華な特典である「お名前入りオリジナル丼」と引き換えるためには220日間以上も300円以上のメニューを注文しなければなりません。
金額にすると、最低でも6万6,000円の支出が求められる計算になりますが、この漫画の熱心なファンなど「どれだけの対価を払ってでも手に入れたい」という人は少なくないはずです。

さて、A社のキャンペーンサイトにはもともと、オリジナル丼に印字できる名前に関するレギュレーションは記されていませんでした。
ところが、7カ月間以上も毎日店舗に通って特典を獲得したキャンペーン参加者が申し込みフォームに進んでみると、丼に入れられる名前は本人の実名に限るとの説明が記載されていたのです。

疑問を感じた参加者がA社のお客様相談室に確認したところ、メールで寄せられた回答は「家族、友人等第三者、キャラクター、タレント、ニックネームなどは使用できません」といったものでした。

「後出しじゃんけん」と指摘されても仕方がないメールの画像はSNSで拡散し、Webメディア、まとめサイトなどへの掲載も相次ぎます。

さらに、参加者の問い合わせに対してお客様相談室長が返信したのは「法務局にご相談されてはいかがでしょうか」「訴訟をされるとのことでしたら、弊社弁護士が真摯に対応させていただきます」といった文言でした。
高圧的な初期対応とそれに対する不満がSNS上で晒されたのは、言うまでもありません。

一連の批判を受け、A社は一定の条件の下、本名以外の名入れにも応じる方針を発表。顧客に対する謝罪文もリリースしました。

あまりにも欠けていた顧客への配慮

今回の事例が炎上したのは、なぜだったのでしょうか?

大きな要因は、顧客への配慮があまりにもできていなかったことが挙げられます。
先述したように、オリジナル丼を手に入れるためには長期間にわたり、相当な頻度で店舗に通わなければなりません。
時間的、金銭的な壁を乗り越えてまで特典を獲得したいと願うヘビーユーザーの思い入れが強いことは、容易に想像できたはずです。

もちろん、本名以外の名入れを無制限に許容してしまえば、著作権などに抵触する問題が発生してしまいかねないという考え方には一理あります。
しかし、結果的に「後出しじゃんけん」に走ってしまったことで「それならそうとキャンペーンを始める段階で周知してほしかった」と戸惑う顧客が現れたのも当然の成り行きです。
自社のファン離れを避ける上でも、A社が最優先すべきだったのはそうした顧客への配慮だったのではないでしょうか?

粗雑な顧客対応がSNS上で暴露されれば、世の中全体の不評を買ってしまいます。
今回の事例も、当初は特典の獲得者の間でのみ批判されていました。
しかし、お客様相談室の問い合わせ対応をめぐる投稿がSNSに投稿されるや否や、一般の消費者にも「攻撃的だ」と認識されて炎上状態に陥ったのです。

逆に言えば、A社のメールの文面や顧客のSNS投稿が拡散されていなければ、名入れに関するクレームは特典獲得者の間の話題にとどまり、炎上までには至らなかったかもしれません。
だからこそ、顧客とのやり取りがSNS上で晒されるリスクを考慮し、初期対応が適切かどうかの精査が必要だったと言えます。

従業員研修とモニタリングで炎上リスクを排除

初期対応の是非は社内で協議した上で適切に判断することが肝要ですが、社内の感覚が世の中の意識と異なってしまうケースもあり得ることから、外部の専門家などに意見を求めるのも効果的です。

もちろん、企業が最も求めているのは、そもそも問題を発生させない社内の仕組みづくりでしょう。

デジタル・クライシス(危機)から企業を守る国内唯一の専門会社であるシエンプレでは、eラーニングによる「従業員向けSNS利用研修」のサービスを提供しています。

個人によるSNS利用上の注意点はもちろん、他社の従業員が起こした炎上事例と発信者の悲惨な末路を明確に伝えられるのが強みです。
研修でSNS運用ガイドラインの知識を学び、自社の規定の作成に役立てることもできます。

また、24時間体制のWeb/SNSモニタリングを導入すれば、炎上に発展しそうな自社関連のコンテンツをいち早く察知し、取り返しのつかないインシデントに発展してしまう前に対処することが可能です。

万一炎上した場合も、公式サイトでのニュースリリースや企業見解の発表に関するアドバイスを送り、必要に応じてメディアに反論記事や検証記事を掲載。専門的な知見をフルに発揮し、炎上が収束するまでしっかりとサポートします。

SNS炎上をはじめとするデジタル・クライシス対策の強化をお考えの場合は、国内ナンバーワンの契約実績と高い信頼性、豊富なノウハウを誇る弊社に、ぜひご相談ください。

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