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牛丼チェーン大手企業の「不適切な言動」から考察する炎上の連続性と取るべき対応

2022.06.27

SNSが普及する以前、クローズドな場所での「不適切な言動」が世の中に晒されるケースはまれでした。しかし今、それらを隠し通すことはほぼ不可能な上、ひとたび非難を浴びれば過去の失言などが蒸し返されてしまうことも珍しくありません。同一企業で起こりかねない炎上の連鎖がもたらすダメージと、リスクを避ける方法をご紹介します。

役員が大学講座で女性蔑視発言

「過ちて改めざる是(これ)を過ちと謂(い)う」

古代中国の思想家、孔子の「論語」に書かれた一節です。
「過ちを改めようとしないのが本当の過ちである」という意味で、古今東西のあらゆる事象に当てはまる戒めと言えるでしょう。

「後出しじゃんけん」と聞くと「ずるい」「不公平」といった良くないイメージが浮かぶかもしれませんが、企業のマーケティング戦略などでは、ライバルの出方を見極めてから自社の判断を下す方が賢明な場合が多々あるでしょう。

もちろん、企業活動も例外ではありません。

しかし、牛丼チェーン大手のA社は、役員までもが「不適切な言動」の過ちを繰り返し、相次ぐ炎上に見舞われてしまいました。

4月16日、A社の常務取締役企画本部長(当時)のB氏が登壇したのは、自らが講師を務める大学の講座でした。
外資系の大手日用品メーカーでブランド再建も成し遂げた実績を誇るB氏。この日の講座で語ったのは、A社の若年女性向けマーケティング戦略です。

しかし、敏腕マーケターの口を衝いたのは、「地方から出てきた右も左もわからない生娘が、初めて利用してそのままシャブ漬けになるような企画。男に高いメシを奢ってもらえるようになれば、絶対に食べない」という、ジェンダー・人権問題を踏みつけにし、違法行為・薬物をも連想させる低俗な言葉でした。

不適切な発言の内容は、受講者の女性が当日のうちにFacebookに投稿。翌17日にはTwitterで取り上げられ、瞬く間に拡散・炎上します。

マスコミも大々的に報じる動きが出たのを受け、A社は大学側に書面で謝罪し、臨時取締役会でB氏の取締役解任を決議。18日から予定していた新商品の発表会の中止を決めました。

18日には公式サイトでも「コンプライアンス遵守の徹底に取り組む」と明記した謝罪文を公開し、19日にはB氏の取締役解任を発表するなど、事態の収束に向けた一連の対応はかなり迅速だったと言えるでしょう。

ところが、A社の炎上案件は、これで収まりませんでした。

採用説明会では「外国籍」を差別

役員の不適切発言が物議を醸してから、わずか2週間余り。追い打ちをかけたのは、A社が採用説明会への参加を予約した大学生を外国籍であると思い込み、エントリーすら拒否していたという差別的な行為です。

先の謝罪文で示した「コンプライアンス遵守」を真っ向から否定するかのような対応に、Twitter上では「もはや根本的に人権意識を欠いている企業としか思えない」「名ばかりのコンプライアンスを根本的に見直すことが求められる」など、B氏の不適切発言と絡めた厳しい声が続出しました。

実はA社は、B氏の舌禍事件より前の3月にも炎上を起こしています。

原因は、人気漫画とコラボレートした「お名前入りオリジナル丼」をもらえるキャンペーンにおける顧客対応の悪さでした。

このキャンペーンは300円以上の会計を220回行うことで、任意の名前入りのオリジナル丼を貰えるというものでした。しかし、参加者が実際にポイントをためて交換を行おうとした段階で実名限りの条件が表示されました。
参加者の問い合わせに対し、お客様相談室長という責任ある立場の社員が返したのは「法務局にご相談されてはいかがでしょうか」「訴訟をされるとのことでしたら、弊社弁護士が真摯に対応させていただきます」といった高圧的な言葉だったのです。

顧客対応に問題があった場合、一部始終がSNS上で物的証拠と共に暴露される可能性が高いというのは、今や大企業に限らない常識でしょう。
そんなリスクなど全く意に介さないかのような態度が激しい非難を浴びたのは、むしろ当然だったと言えます。

炎上時は過去の不祥事も掘り返される

B氏の「差別」発言があった際も、キャンペーンの顧客対応と紐付けて「自分の顧客を舐めている」「本社に『客を見下す文化』が蔓延しているのではなかろうか?」といったネガティブなツイートが相次ぎ、炎上を加速させました。

一度炎上すると、多くのネットユーザーは過去にも同様の問題を起こしていなかったかチェックしようとします。
芋づる式に過去の不祥事が掘り返され、炎上の連続性が顕著になってしまえば根本的な企業体質を糾弾されることになり、オンラインの世界にとどまらないブランドイメージの悪化に止めが掛からなくなるでしょう。

また、B氏が炎上した理由はセンシティブな話題であるジェンダー・人権問題に触れたことだけでなく、「有名なマーケターが言語道断の発言をした」というインパクトも大きかったからだと推察されます。

事実、国内の有名企業でも社長や役員の不用意な発言が炎上し、本人が釈明に追われたケースは枚挙にいとまがありません。

さらに、大学の講座での発言がSNS上で拡散されたように、炎上はクローズドの場でも起こり得るのです。
社内行事の入社式であいさつに立った社長の失言が報道陣によってオープンにされ、たちまち炎上してしまった事例もあることを覚えておいてください。

危機管理に役立つ「経営幹部向け研修」を提供

このように、大企業のリーダーであっても逃れられない炎上リスクを回避するため、企業はどんな備えが必要なのでしょうか?

まず認識しておかなければならないのは、頭脳明晰で思慮深い人物だからといって、不適切な言動を絶対にしないとは言い切れないということです。
SNS上で騒動を引き起こすのは、傍若無人な若者と決まっているわけではありません。
男性中心の社会で長年にわたり刷り込まれた古い固定概念が、無意識のうちに露呈してしまわないとは限らないのです。

シエンプレは、eラーニングによる「経営幹部向け研修」のサービスを提供しています。
消費者と直接コミュニケーションを交わす機会が少ない経営層だからこそ、自分事として捉えにくいであろう炎上のメカニズムや企業活動への影響などを学んでおく意義は大きいでしょう。
社内における危機管理マニュアルの重要性と目的への理解を深め、作成・実践にも役立てていただけるカリキュラムです。

モニタリングと正しい情報発信で収束までサポート

さらに、24時間体制のWeb/SNSモニタリングサービスを導入すれば、炎上に発展しそうな自社関連のコンテンツをいち早く察知し、取り返しのつかない混乱に陥ってしまう前に対処することが可能です。
事実、ネット上で小さな火種が発生してから24時間も経たないうちに炎上に至るケースは珍しくないため、企業には迅速かつ的確な危機管理対応が求められます。

万一炎上した場合も、弊社が公式サイトでのニュースリリースや企業見解の発表に関するアドバイスを逐次提供し、必要となればメディアに反論記事や検証記事を掲載。専門的な知見をフルに発揮し、炎上が収束するまでしっかりとサポートすることをお約束します。

SNS炎上をはじめとするデジタル・クライシス対策の強化をお考えの場合は、国内ナンバーワンの契約実績と高い信頼性、豊富なノウハウを誇る弊社に、ぜひご相談ください。

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