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【第2回JDCアワード】【優秀賞受賞インタビュー】DiDiモビリティジャパン株式会社様

2022.02.28 最終更新日:2022.05.20

ワクチン接種会場までのタクシー無料クーポンに称賛!

シエンプレ株式会社(以下、シエンプレ):新型コロナウイルスのワクチン接種を促すため、接種会場までのタクシー無料クーポンを提供した御社のサービスは「神対応」と称賛されました。遠隔地に住む高齢のご家族などのために、他のお客様が「代理配車」を手配できる便利な機能を積極的に周知されたのも見事でしたが、全国14都道府県で往復5万回分の移動をサポートする大規模な「ワクチン接種サポート」に踏み切った経緯をお聞かせください。

DiDiモビリティジャパン株式会社 和久山様(以下、和久山様):グローバル企業であるDiDiが設立したワクチンファンドを、各国の事情に合わせて活用しようということから考え出した取り組みです。
弊社が取り組み始めた当時、日本はまだ1回目のワクチン接種が始まるかどうかというタイミングでした。海外では接種が進むほど感染スピードを抑えられるというファクトが見えていたので、「接種率を少しでも早く高めるためのサポートができないか」また、「タクシープラットフォーマーとして何が出来るのか」という視点で企画を練りました。

シエンプレ:なるほど。

和久山様:アプリがあれば遠隔地に住む親御さんや祖父母のためにタクシーを呼べるという「代理配車」の使い方は、オフィシャルには案内していなかったのですが、そのように活用されているというお客様の声はお聞きしていました。
そこで考えたのが、「代理配車」の機能をうまく使っていただければ高齢者の方々がDiDiで移動できるのではないかということです。しっかり「代理配車」を使っていただくために、既存のお客様にも「ワクチン接種をサポートします」と案内するだけではなく、「代理配車」を中心にPRさせていただきました。
オウンドメディアでの発信はもちろん、テレビなどの取材も積極的に受けたのは、弊社を知らないお客様にもなるべく情報が届くようにしたかったからで、そのためのコミュニケーションは、かなり工夫を凝らしました。

シエンプレ:「代理配車」は非常に便利な使い方だと思いますが、表立ってPRされてこなかった理由は。

和久山様:我々のサービスはお客様のモバイル端末の位置情報を基に配車をご提供するのが基本であることから、タクシーを呼ばれる方自身がアプリをインストール頂いた上でご利用されることを推奨しております。ただ、今回の施策の目的は高齢者をはじめ、1人でも多くの方にワクチンを接種していただきたいということでしたから、「代理配車」をメインに据えて構わないと判断しました。

「割引」ではなく「無料」を選択、接種の動機付けを重視

シエンプレ:計5万回分の無料クーポンのうち、新規のお客様がお使いになったのはどのくらいの割合でしたか。

和久山様:想定よりかなり高かったですね。半分以上が新規のお客様だったと認識しています。

シエンプレ:その後も、御社のサービスを継続利用されているお客様が多いのでしょうか。

和久山様:タクシー配車アプリは、一度使ってくだされば優れた利便性を実感していただける確率が非常に高いサービスです。「ワクチン接種サポート」でDiDiブランドの認知度も高まり、これまで以上の継続利用につながったと捉えています。
タクシーは電話などで呼ぼうと思えば呼べるので、「アプリを使おう」と思っていただくまでのハードルは結構高いのですが、その便利さを実感された方は自然に使い続けてくださるはずです。
最初に利用していただいたきっかけが、自らの命を守るワクチン接種の助けになったということであれば、なおさらポジティブに働いていると思います。

シエンプレ:「割引」ではなく「無料」を選択されたのは、社会貢献に対する御社の思いがかなり強かったからということなのでしょうか。

和久山様:例えば500円引き、50%引きといった方法と往復の交通費を丸々負担する方法を比べれば、後者の方が「ワクチンを打ちに出かけてもいいかな」と思っていただきやすいでしょう。接種の動機にしていただくためには、そのくらいのインパクトがあった方がいいと考えました。
片道1,500円という上限は設けましたが、接種会場までの移動の大半はそのくらいの金額でカバーできるという独自データに基づき、そのようにさせていただいたということです。

口コミで波及しているタクシー配車アプリの利便性

シエンプレ:日常的にさまざまな書き込みがあるSNS上などでは「売名行為では?」と疑われるといったリスクも想定されたかと思いますが、消費者とのコミュニケーションに関して特に意識されたことはありますか。

和久山様:タクシー配車アプリを初めて利用していただく方も多いと予想し、無料券はもちろん、アプリの使い方そのものをなるべく分かりやすくお伝えしようと心がけました。
「代理配車」という応用的な活用法もご案内しなければならなかったので、アプリ内やホームページでの説明、ソーシャルメディアアカウントでの情報発信、さらにはカスタマーセンターに寄せられた質問への親切な回答も徹底したところです。
多かった質問に対してはFAQで解説するなど、お客様が実際に困っていらっしゃることをリアルタイムで把握しながら重点的に説明するよう工夫しました。
「売名行為」と受け止められるリスクはあまり気にしておらず、そういう声が顕在化したということもありませんが、「無料クーポンを使いたかったのに使えなかった」というご不便をおかけしないよう、かなり丁寧に対応させていただいたのは確かです。

シエンプレ:SNSの公式アカウントを通じて日々のコミュニケーションを重ねる中で、特に工夫されている点と、苦労されている点はありますか。

和久山様:我々のサービスをお使いになるメリットを言葉で説明しても「自分ごと」として理解していただきにくい面があるのですが、2018年9月に大阪エリアでサービスを開始した当時から、お客様の流入経路の半分ほどを占めるのは友人や知人、家族からの口コミです。
当初はそうなると想定していませんでしたが、「機能」という目に見えにくいものを提供している以上、何よりも「評判」が大事なチャネルであるということが分かってきました。
そのため、ソーシャルメディア上などでタクシー配車アプリを使っていただいた感想などを紹介していただけるような取り組み、きっかけづくりを意識しています。我々のSNSアカウントで何かを発信するのもそうですが、どうしたらお客様自身に体験をつぶやいていただけるか、それを起点にどうやってアプリのメリットを波及していけるかが大切です。
結果的に「ワクチン接種サポート」は非常に大きな波及効果があり、特にTwitter上では「DiDiはすごく良かったのでお薦めです」という口コミが多く見受けられました。ユーザーの皆様をアンバサダーと捉え、その視点でサービスを広めていただけるようにすることがとても重要です。
弊社のサービスのメリットを伝えてくださる方が増えれば、新規のお客様が実際にお使いになるまでのハードルを下げていただけることにもなるでしょう。そうした意味でも、ソーシャルメディアはもっと効果的に活用できると考えています。

シエンプレ:SNSでの情報発信とアプリ内の通知は、どのように使い分けていらっしゃいますか。

和久山様:SNSは弊社を知っていただくきっかけとなるチャネルでありたいと思っていますが、アプリを入れてくださった方にもフォローを働きかけています。
アプリの通知をあまりご覧にならない方、オフにされている方もいらっしゃる中、SNSとの複数のチャネルで接していただけるようにすることが大切です。それらの情報がお客様にとって有用であるほど、エンゲージメントが高まると思います。
さらに、アプリの告知はどちらかと言うと宣伝に近いですが、ソーシャルメディアは自らの意思で閲覧する仕組みです。そこで得た役に立つ情報をポジティブに受け止めていただければブランドとの関係性が深まるため、リテンション(既存顧客維持)の効果も確実に見込めるでしょう。
だからこそ、双方のチャネルをうまく活用しながら、なるべく多くの方にソーシャルメディアに注目していただこうと考えています。

日本中の「移動」をもっと便利に

シエンプレ:御社は企業とのコラボレーションによるクーポン配布、キャンペーンも展開されていますね。

和久山様:パートナーシップの企業様とコラボするメリットは、その企業様のお客様に弊社のサービスを認知していただけることです。さまざまな企業様を利用される際の特徴と紐づけ、タクシーアプリを使っていただくようにしています。
例えば、就職情報サイトを運営されている企業様とのコラボでは、オフィス間などの移動と紐づけました。就職活動中の学生さんはタクシーのヘビーユーザーではありませんが、社会人になってから弊社のアプリを使っていただくためのアプローチをしようというのが狙いでした。
飲食業界などもそうですが、何かしらの利用シーンを想起しやすい企業様と組ませていただけると、よりシナジー効果が高いと感じています。

シエンプレ:コロナ禍への対応を含め、計画中の施策やコミュニケーションはありますか。

和久山様:新たに無料クーポンなどを配布するといったことは現時点で予定していませんが、提携するタクシー会社の運転手のマスク着用や検温表示、車内換気などを引き続き徹底し、「大勢の人が利用する公共交通機関に不安を感じていらっしゃる方はタクシー配車アプリをお使いください」というコミュニケーションを取らせていただきます。
国内のタクシー総乗車におけるアプリ配車の割合が40~50%に上る国もある中、日本は10%に届きません。デジタル化が進んでいない領域の1つなのですが、アプリは利用者とタクシー会社の双方にメリットがあります。
例えば、空いている時間帯の料金を下げるなどアプリ特有の使い方ができるようになればタクシー利用が増え、業界全体の底上げにもつながるはずです。そのためにも、日本にタクシー配車アプリを浸透させるよう頑張っていきたいと思っています。
お客様を起点としたコミュニケーションに力を入れることでサービスのメリットを広め、他社様のアプリとも連携しながら日本中の「移動」そのものをもっと便利にしていきたいですね。

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