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企業の「顔」、人事担当者が起こすSNS炎上の怖さ

2022.04.29 最終更新日:2022.05.31

企業の人事担当者がSNS上で居丈高な発言をし、批判される事例が相次いでいます。コロナ禍が長期化する中、就職・転職市場が「買い手市場」に変貌したことなどが背景にあるとみられますが、他者からのマウンティングやハラスメントなどに対する世間の目は厳しさを増すばかりです。従業員の誤った発信で、企業にダメージが及ぶ事態を防ぐ方法をご紹介します。

「経営の神様」が説く「従業員はパートナー」

京セラ・第二電電(現KDDI)の創業者で、日本を代表する実業家の1人として知られる稲森和夫氏。自身のオフィシャルサイトには、「従業員をやる気にさせる7つのカギ」と題した項目が列記されています。

その1つは、「従業員をパートナーとして迎え入れる」というもの。稲盛氏は従業員について「自分と同じ気持ちになって仕事にあたり、事業を支えてくれる、自分と一心同体になって仕事をしてくれるパートナーとすることが、どうしても必要」と説き、「一体感をもった会社、組織をつくっていくことが、企業統治の第一歩」と唱えています。

「経営の神様」とも称される名経営者が従業員を「パートナー」と捉えていることに、驚いた人も少なくないかもしれません。

稲盛氏は、ジャーナリストの田原総一朗氏が2020年に著した「伝説の経営者100人の世界一短い成功哲学」(白秋社)でも、従業員との関係について次のように語っています。

「われわれは雇い雇われるという関係ではない。少なくとも人間は、人を雇うなんておこがましいことはできない。われわれは一緒に働くために集まったパートナー、同志なのだということ」

ちなみに、稲盛氏は大学受験や就職にことごとく失敗した経験を持っています。
しかし、その後の稲盛氏の活躍ぶりを見ても、企業の人事担当者らのお眼鏡にかなわない人材が総じて劣っているわけでないのは火を見るより明らかでしょう。

「採用は“採ってはいけない人”を見極める仕事」と発言し炎上

ところが昨今、SNS上では企業の人事担当者による心ない発言が物議を醸す事例が相次いでいます。

2022年1月9日、法人・個人向け名刺管理サービスなどを手掛けるA社の人事担当者は自身のTwitterアカウントで会社名を明らかにした上で「採用は“採ってはいけない人”を見極める仕事だ」と投稿しました。

Twitter上では「『面接で落とされた就活生が見ているかもしれない』という想像力が欠如しているから、こういう発言が生まれる」「『採ってはいけない』要素をチェックするより、就活生の良いところを引き出す面接をするべき」といった批判が続出します。

炎上に晒された人事担当者は当該ツイートを削除しましたが、その後に投稿された本人のツイートには「言葉は本当に難しいなと改めて」など、お詫びの言葉は一切記されていませんでした。

こうして再度の炎上も招いた結果、A社の株価は続落。ツイートの問題発言を理由に、A社の株を手放す投資家も現れる事態となってしまいました。

「待遇にこだわる人とは働きたくない」と発言し炎上

1月31日には、コンサルティング業務を担うB社の人事担当者も、自社名を明かした個人のTwitterアカウントで「給与や待遇にこだわりのある人とは働きたくない」とツイート。これに対しても「ブラック」「自身は最低賃金で働いているのか?」といった批判が殺到します。

実際の求人情報に書かれた「年収360万円~」「固定残業45時間分含む」という勤務条件の低さが火に油を注ぐ形となってしまい、Googleビジネスプロフィールの口コミには「人事の方の発言に会社側から何の説明もないことに違和感を覚える」などのネガティブ投稿が書き込まれました。

「ボーナスは『結果を出した人』にしか支給しない」と発言し炎上

さらに2月8日には、メイクブラシ専門店を運営するC社のInstagram公式アカウントが、求人に関するストーリーズの質疑応答で「ボーナスは『毎月受け取る月給以上の結果を出した人』にしか支給できません」と身も蓋もないコメントを書き込み、炎上を招いてしまいました。

C社は2度にわたり謝罪文を公開しましたが、いずれもコメント欄は閉鎖したままだったため、「誠意を感じられない」と批判は収まりませんでした。

さて、これらの投稿が炎上を招いた理由は、改めて説明するまでもないかもしれません。 「入社希望者を“選別”する」という立場に身を置く中で思い上がってしまい、「受け手側がどう思うか?」という配慮ができていなかったのが最大の要因であることは明白です。

A社の場合は「不採用経験者の劣等感の刺激」も糾弾され、B社、C社は「やりがい搾取を想起させる内容」「『働きたくない』という採用者側からの上から目線」「価値観の押し付け」が批判の的となりました。

このような企業倫理にもとる投稿による炎上を防ぐためには、発信者に対して「なぜ、その投稿をしたのか?」ということに責任を持たせることが大切でしょう。 「受け手側にどう捉えられるのか?」を考えさせ、感情に任せた思いつきの発信をさせないことが賢明です。

問題となった一連のツイートを振り返ってみてください。 そもそも、外部に向けてわざわざ発信すべき内容だったと言えるでしょうか?

手軽に発信できるSNSは「諸刃の剣」

企業名を公開してのSNS発信は自社のファンを効果的に増やせる手軽なツールとして有用ですが、思慮に欠ける内容で敵を増やしてしまえば逆効果になります。 求職者にとって企業の「顔」である人事担当者の発言が反感を買うことになれば、採用活動に支障を来すことになるでしょう。

もちろん、炎上を避けるため、何も発信しないのが得策というわけではありません。 発言内容に明確な意思があり、責任を持てるのであれば、しかるべき防御策を準備した上で発信するのも1つの手です。

例えば、クラウドファンディングプラットフォームを運営するD社は2019年5月の広告で、「〇〇を理由に夢を諦めてはいけない」という86のメッセージを発信しました。

「諦めてはいけない」という物言いは「上から目線」にも聞こえますが、事前に社長自身が「なぜ、このメッセージを届けることにしたのか?」について丁寧に説明した結果、大きな炎上が起こることはありませんでした。

意識しなければならないのは「発信して終わり」ではないということ。発信後のリスクシナリオを想定した上で防御策を用意し、動向確認を怠らないことが重要なのです。

従業員研修とモニタリングでSNS炎上を防止

国内唯一のデジタル・クライシス対策カンパニーであるシエンプレは、eラーニングによる「従業員向けSNS利用研修」のサービスを提供しています。

個人によるSNS利用上の注意点はもちろん、他社の従業員が起こした炎上事例と発信者の悲惨な末路を周知することができます。 研修ではSNS運用ガイドラインの知識を学び、自社の規定の作成に役立てることも可能です。

また、24時間体制のWeb/SNSモニタリングを導入すれば、炎上に発展しそうな自社関連のコンテンツをいち早く察知し、一大事になる前に対処することができます。

万一炎上した場合も、公式サイトでのニュースリリースや企業見解の発表に関するアドバイスを送り、必要に応じてメディアに反論記事や検証記事を掲載。専門的な知見をフルに発揮し、炎上が収束するまでしっかりとサポートします。

SNS炎上をはじめとするデジタル・クライシス対策の強化をお考えの場合は、国内ナンバーワンの取引実績と信頼性、豊富なノウハウを誇る弊社に、ぜひご相談ください。

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