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Googleマップの口コミ削除は難しい。オーナー返信の重要性と気をつけたいこと

公開日:2024.02.14 最終更新日:2024.03.14

企業や小売店を悩ませているGoogleの悪い口コミ。中には事実無根の内容を書かれてしまったり、従業員の悪口を書かれたりしてお困りの方もいらっしゃるかもしれません。悪い口コミを書かれてしまったら、企業やお店はどうしたらいいのでしょうか?

悪い口コミは削除してしまいたいと思われるかもしれませんが、残念ながらGoogleは、Googleのポリシーに違反した口コミを除いて、削除にはなかなか応じない現状があります。では、企業やお店はどう対処したらいいのでしょうか?

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所要時間:約29分

実はクレームより恐ろしい?!Googleマップの悪い口コミ

「◯◯店の接客がひどかった」等、お店や本社に直接来る電話やメールによるクレームは、企業やお店が直接お客様とやり取りができるため、謝罪をすることができます。もし誤解がある場合は、きちんと説明することで、再来店を促せる可能性もあります。また、直接のクレームや問い合わせの場合は、お客様と企業やお店の直接のやり取りになりますので、対応に不満を持ったお客様がSNSで拡散する等しないかぎり、基本的には1人のお客様の不満が第三者に影響をおよぼすことはありません。

一方、Googleマップの口コミの場合は、悪い口コミが投稿される前に、企業やお店が謝罪や説明をする機会は一切与えられません。企業やお店の対応に不満を持った利用客が、一時的な怒りに任せて感情的に書いた悪い口コミであったとしても、投稿した本人が削除しない限り、悪い口コミはずっとGoogleマップの口コミ欄に残り続け、そのネガティブな口コミを見た第三者が来店をやめてしまうかもしれません。したがって、悪い口コミが投稿されたら、企業やお店はそのまま放置することなく、早急に対処する必要があります。

Googleの悪い口コミを放置すると、どうなる?

Googleの悪い口コミを放置すると、以下のようなことが起こる可能性があります。

売上・店舗運営への影響

  • 悪い口コミを投稿した利用客が再来店を控える
  • 新規客が来店を控える
  • 求職者が応募を控える
  • FC加盟検討者が加盟を控える

悪い口コミをそのまま放置しておくと、投稿した利用客がその後、来店しなくなる可能性が高くなるのはもちろん、もっと怖いのは放置された悪い口コミが第三者に与える影響です。

来店を検討している新規客が来店を控えたり、転職を考えている求職者やアルバイト希望の学生が応募を控えたり、また、フランチャイズ展開をしている企業であれば、加盟を検討している事業者が応募を控える可能性も考えられます。

経営面への影響

  • 大手企業との取引への影響
  • 金融機関の審査への影響
  • 行政指導、行政処分の判断への影響

コンプライアンスを重視する大手企業では、取引前に相手企業の口コミ等をチェックしますし、金融機関の審査においても、ネットの口コミや記事等を重要な指標のひとつとして捉える金融機関が少なくありません。また、行政機関も行政指導、行政処分の対象となる企業の情報をネットで調査することが一般的となっています。

このように、Googleマップに投稿された悪い口コミをそのまま放置するということは、企業やお店の売上に影響するだけでなく、採用活動や金融機関、行政機関といった企業運営、店舗経営に関わるすべてのステークホルダーとの関係性に影響を及ぼす可能性があります。

では、企業やお店は、書かれてしまった悪い口コミにどう対処したらよいのでしょうか?

やってはいけない『Googleの口コミ対応方法』

従業員や第三者に★5の投稿を依頼する

2023年10月より消費者庁がステマ規制を開始しています。低評価の口コミによって下がってしまった星の平均評価を上げるために、自社の従業員に自作自演で高評価の口コミを書かせる、もしくは業者にサクラ投稿を依頼する等、やらせ行為はステマ規制に抵触しますので、絶対にやめましょう。

悪い口コミをそのままにしておく

悪い口コミをそのまま放置していると、事実無根の内容であっても、企業やお店が事実として認めていると捉えられてしまうかもしれません。また、仮に事実だった場合、企業が改善を怠っている、ブラックな状況を良くしようとする意志がない、と捉えられてしまう可能性もあります。

悪い口コミは無視して、良い口コミにだけオーナー返信をする

一方で、悪い口コミは無視して、良い口コミにだけオーナー返信をすることもやめましょう。良い口コミにだけ返信することは、企業やお店が悪い口コミを見ているにもかかわらず、「悪い口コミは無視します」と自ら宣言してしまうことになります。オーナー返信は、来店を検討している第三者も見ていることを常に意識して対応することが大切です。

やっておいた方がいい『Googleの口コミ対応方法』

Googleに削除申請をする

Googleのポリシーに違反している口コミであれば、Googleに削除申請をし、削除してもらえる可能性があります。このような口コミに対しては、順次、削除申請を進めていくことが有効です。ただし、投稿の内容に不満がある、気に入らないという理由による削除申請は認められません。

必ずやるべき『Googleの口コミ対応方法』

オーナー返信をする

これは、悪い口コミが投稿されてしまった際、高確率でリカバリーが期待できる唯一の方法と言えます。内容がネガティブな口コミであっても、オーナー返信を丁寧に行うことで、第三者にきちんとした企業、お店であるという印象を持ってもらえる可能性があります。 仮に、悪い口コミの内容が事実だったとしても、企業としても問題として捉えていることを明確に示し、改善を行ったこと、もしくは改善するために動いていることを示せば、第三者がお店に対してネガティブな印象を持つことを避けられる場合もあります。

Googleマップのオーナー返信をするときに気をつけたいこと

悪い口コミを見て、苛立ちを感じている時は返信しない

誰しも他人から否定的な言葉を投げられたら嫌な気持ちになるものです。悪い口コミに対して苛立ちを感じている時に返信することは避け、平常心の時に返信するようにしましょう。

オーナー返信は必ずしも社長、マネージャー、店長など、決まった人が対応しなければいけないものではありません。悪い口コミに対して、比較的、第三者的な立場で見られる別の従業員や第三者に案文を書いてもらうのもおすすめです。また、オーナー返信が第三者にどのような印象を与えるのか、投稿する前に複数の人の目でチェックすることをおすすめします。

企業やお店に非がなく理不尽な口コミであっても、喧嘩腰で対応しない

悪い口コミの中には、誹謗中傷や嫌がらせのようなものもあるかもしれません。一方的に書かれてしまった場合も、喧嘩腰で感情的にオーナー返信を行わないように心掛けましょう。オーナー返信を見るのは、悪い口コミを投稿した本人より、第三者の方がはるかに多いです。そこには企業や店舗に関わる全てのステークホルダーが含まれることを忘れずに、オーナー返信を行う必要があります。

悪い口コミだけ無視する/定型文をコピペして返信する

良い口コミにだけ丁寧に返信し、悪い口コミに対しては無視をしたり、すべて同じ内容の文章をコピペで返信するのは避けましょう。オーナー返信を見て、第三者がその企業やお店に対してどういう印象を持つかを考えて対応することが大切です。

企業、お店に非があるときは真摯に謝罪。ご不快構文、誤解構文は使用しない

「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした」と相手が不快感を覚えたことに対して謝罪するご不快構文や、「誤解を与えてしまい、申し訳ございませんでした」と自分たちは間違っていないが、相手が誤解しただけだと自らの過ちを第三者に責任転嫁するかのような誤解構文を使った謝罪は避けましょう。

ご不快構文、誤解構文を使った謝罪は、トラブルの原因となったそもそもの発言や行動、起きたことについては謝っていませんので、謝罪したことにはなりません。謝罪する場合は、何が問題だったのかを明確にした上で真摯に謝罪し、今後は同じことを起こさないということを示す必要があります。

企業、お店に非があるものの、すぐに改善できない場合は、改善する予定であることを伝える

指摘されている内容によっては、すぐに改善することが難しい場合もあるかもしれません。その場合は、今後改善する予定があること、もしくは既に改善に向けて動いていることを明確にしましょう。企業やお店がその問題に対してきちんと改善しようとしている姿勢を見せることが大切です。

Googleの口コミ対策のポイントは早期発見とオーナー返信

Googleの口コミは必ずチェックしましょう。中にはネット炎上の火種となるような投稿が埋もれている場合もあります。店舗数が少ない場合は目視でもチェックできますが、全国展開している等、店舗数が多い場合は、ネット上の口コミを一括して収集できるモニタリングツールの利用がおすすめです。

まとめ

  • Googleに投稿された口コミは必ずチェックする
  • 悪い口コミは放置せず、オーナー返信をする
  • 謝罪すべき内容には真摯に謝罪
  • 改善すべき点は改善もしくは改善に向けて動き、それをオーナー返信で伝える
  • オーナー返信は悪い口コミの投稿者だけでなく、来店を検討している新規客はもちろん、全てのステークホルダーに見られていることを忘れない

より詳しい内容については、セミナー動画をご覧ください。


所要時間:約29分

このオンデマンドセミナーで学べること

  • Googleマップの口コミを参考にする人は何%?オーナー返信を参考にする人は何%?
  • 本当に怖い…Googleマップの悪い口コミが企業やお店に与える影響とは
  • 悪い口コミを放置してはいけない理由
  • 悪い口コミの対応、やっていいこと、やってはいけないこと
  • 消費者庁のステマ規制が始まっています!サクラ投稿、自作自演は絶対にNGです
  • オーナー返信で第三者の反応が変わる?!オーナー返信率とアクション率の関係
  • 炎上を防ぐために企業がすべきことはモニタリングとオーナー返信
  • 顧客満足度がアップ!大手企業のモニタリング導入事例 他

セミナー講師

前薗 利大(まえぞの としひろ)

一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所 研究員。2011年、シエンプレ株式会社に入社。デジタル・クライシス対策の専門家として、日本を代表する大企業の炎上事案の沈静化・リスクマネジメントやブランディングなどの支援を多数担当。また、大手広告代理店との協業で、官公庁のプロジェクトなども担当。企業のWeb戦略策定や実施に携わった経験を活かし、セミナー講師や社内講師なども務める。

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