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「ナメクジ騒動」が浮き彫りにしたSNSの「内部告発」リスク

2022.08.31 最終更新日:2022.10.25

SNSが普及した今、企業の不祥事などが不特定多数のネットユーザーに暴露されて炎上し、経済的な損失を招くリスクが高まっています。飲食店で起きた「ナメクジ騒動」の顛末から、突発的な有事に備える危機管理の在り方を考察します。

「内部告発」の主戦場はSNSに

2022年6月1日、改正公益通報者保護法が施行されました。

従業員数が300人を超える事業者に対し、公益通報に対応する窓口体制の整備義務と公益通報対応業務の従事者の指定義務を創設。従業者の守秘義務も定められました。
言うまでもなく、公益通報者保護法は「内部通報」を行った従業員らを保護するのが目的ですが、不正行為の予防や早期発見をしやすくなることから事業者にもメリットがあります。

しかし残念ながら、この法律は決して万能というわけではありません。
実は、「内部通報」と似た言葉に「内部告発」があります。

「内部通報」が企業内の問題を「企業内」に通報することを指すのに対し、「内部告発」は監督官庁や業界団体、報道機関、捜査機関などの「企業外」に告発することです。
もちろん、一方的な主観や状況証拠だけに基づく「内部告発」は、どこに持ち込んだとしても受け入れられないでしょう。
ところが近年は、第三者を頼らなくても「内部告発」ができる環境が整っています。それが、先に挙げた、SNSによる発信です。
SNSを使えば身分を明かさずに言いたいことを言えますし、退職した後も発信できます。

「ナメクジが大発生」 飲食店の元従業員がツイート

「大量のナメクジが発生している」
A社は中華料理チェーンを運営するフランチャイザー。そのフランチャイズ加盟店を名指しした衝撃的な投稿がTwitterに書き込まれたのは、7月24日のことでした。
投稿主は、東北地方にあるこの店舗の元従業員を名乗る男性です。
「内部告発」は、アルバイト従業員への給与未払いや新型コロナウイルス対策認証店舗制度の悪用などにも及びました。
店舗の衛生管理の不備に関する告発を受け、A社は翌25日に公式Webサイトに謝罪文を掲載。27日には保健所による店舗への立入検査の結果も公表し、告発内容をおおむね認めた上で改めて謝罪しました。
しかし、今回の「内部告発」は、「ナメクジ騒動」の炎上だけでは終わりませんでした。
男性の告発が引き金となり、A社の別のチェーン店の不手際を暴露する投稿が次々とリツイートされたのです。
「テイクアウトした餃子が黒焦げだった」「通販で取り寄せた商品の袋の中で虫が動き回っていた」といったクレームが写真入りで告発され、炎上が炎上を呼ぶ事態に陥ってしまいました。
炎上によって株価が急落したA社の経済的損失は、約12億円に上ります。ブランドイメージの低下は、さらなる経済的損失を招きかねません。
A社は8月25日付で、この店舗を運営する地元企業とのフランチャイズ契約を解除しました。
店舗は閉鎖されましたが、SNS上では「『だから問題ありません』というような発表が残念」「トカゲの尻尾切りにしか見えない」といった反応が続出しました。
フランチャイザーとしては、加盟店側のリスクを事前に把握できる体制を構築しておくことが欠かせません。

炎上時は過去の不祥事が蒸し返され、誤情報も拡散

さて、本事案に関しては、SNSによる「内部告発」ならではの注意点があります。
保健所の立入検査の結果、店舗の衛生環境に関する指摘が出たのは確かです。
しかし、「内部告発」で書き込まれたような「大量のナメクジ」は確認されませんでした。このように、炎上時は事実ではない情報が拡散されてしまう可能性があるのです。
SNSでの告発リスクが高まっている昨今は、クレームを企業に直接伝えずに書き込むのが当たり前になってきています。
顧客と企業の間で個別に行われる閉鎖的なコミュニケーション(クレーム対応など)も、SNS上で一方的に晒されて炎上してしまうケースが後を絶ちません。
いったん炎上が始まれば過去の不祥事なども蒸し返され、次々と非難を浴びせられる傾向が見受けられます。
炎上は連続的な事象と捉える必要があり、対応を誤れば「炎上しやすい企業」という不名誉なレッテルを貼られてしまいかねません。

さらに、炎上時は告発内容が事実かどうかの検証は置き去りにされるため、虚偽の投稿も多発します。
本事案でも店舗の店長の顔画像を特定したといった内容の書き込みが複数アップされ、誤情報が拡散されました。

「Digital Integrity」で自社を守る

こうした事態を防ぐために欠かせない企業姿勢が「Digital Integrity」です。
「Integrity」は「誠実、正直」という意味で、自社に関する告発はもちろん、日ごろの口コミに対しても真摯に向き合う経営が求められています。
A社の事案でも、炎上の舞台となった店舗のGoogleビジネスプロフィール上では、以前から衛生面の問題を指摘した投稿が複数書き込まれていました。
これらの投稿を事前に把握し、改善につなげる体制ができていれば、「大量のナメクジが発生している」という告発自体を防げた可能性があります。
炎上時のフェイクニュースには真実を明らかにして反論する必要がありますが、それがきっかけとなって粗探しをされないような環境を整えておかなければなりません。

炎上時・炎上後をサポートする「危機対応支援サービス」

「Digital Integrity」の姿勢を強固なものにするために、シエンプレができること。それが、炎上時・炎上後を包括的にサポートする「危機対応支援サービス」です。
顧客企業で不祥事が起きたり、何らかのトラブルに巻き込まれたりした際、ネット上の批判やマスコミの取材依頼への対応を支援するもので、顧客企業に関するオンラインの口コミやニュース記事などを収集し、論調を分析します。
そうしたデータを活かして今後のリスクを診断し、マスコミ対応やニュースリリースのライティングなど、企業として取るべき手だてをバックアップ。提携会社との連携により、緊急窓口のコールセンターを立ち上げることも可能です。

また、事態が収束するまでは、ネット上の投稿やネットメディアの記事のモニタリングを実施。GoogleやYahoo!の検索エンジンで表示される顧客企業の関連キーワードも監視し、不適切なキーワードが出てきた場合は鎮静化します。

炎上はいつ、何がきっかけで起こるか分かりません。
十分な備えがなければ、風評被害への対応などに追われて企業活動に支障が出てしまう恐れもあります。
シエンプレは、国内唯一のデジタル・クライシス対策会社です。
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