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「国際カミングアウトデー」の便乗ツイートに学ぶ謝罪対応とクリエイティブチェックの重要性

公開日:2022.11.30 最終更新日:2024.01.26

世の中のコンプライアンスやモラルは日々変化しており、SNSも例外ではありません。時代の流れを的確に把握したクリエイティブを発信し、万一の炎上時もダメージを最小限に抑えるためにはどうするべきなのでしょうか?企業にとって望ましい対応を考察します。

自社の宣伝を「カミングアウト」して炎上

「10月11日」と聞いて、すぐに「国際カミングアウトデー」を思い起こす人は少ないかもしれません。

さらに、「国際カミングアウトデー」がどんな意味を持つ日なのかを理解している人は、もっと少ないでしょう。

「国際カミングアウトデー」とは、自身がLGBTQであることをカミングアウトした人々を祝い、社会の認識向上を目的とした記念日、イベントを指します。

1987年に米国で催されたイベントが由来で、1988年に制定。日本では2017年から、この日に合わせてLGBTQと職場を考えるカンファレンスが開かれるようになりました。

しかし、「国際カミングアウトデー」の背景を知らなければ、「カミングアウト」という言葉から「告白、打ち明け話をする日」と勘違いしても不思議ではありません。

ただ、LGBTQの権利獲得に血のにじむような努力をしてきた人々の思いを考えれば、誤った理解に基づく言動がトラブルを招きかねないことは容易に想像できるでしょう。

2022年の「国際カミングアウトデー」では、さまざまな企業・団体が軽率なツイートを投稿して炎上してしまいました。

大手化学メーカーA社は「国際カミングアウトデー」のハッシュタグを付けたツイートで自社製品を宣伝。宅配寿司チェーン大手のB社も「カミングアウトの日」のハッシュタグ付きで自社のルーツをPRし、Twitterユーザーの批判を浴びたのです。

炎上後の明暗を分けた謝罪対応

A社の投稿は、翌10月12日朝にインフルエンサーがTwitterで取り上げたことで炎上に至りました。

しかし、A社はそれから30分も経たないうちに謝罪文をツイート。「『国際カミングアウトデー』を正しく理解せず、思慮に欠けた投稿をした」と明確に認めたことで、1万件近くもの「いいね」を集めました。

一方、B社も公式アカウントに「ご不快な思いをさせてしまったことを心からお詫び申し上げます」という謝罪文を掲載しています。ところが、B社に対しては「何に対して謝っているのか明確にしていない」などの批判が続出したのです。

問題となった投稿を削除した上、謝罪文が代替テキスト(ALT)だったことも「検索されてヒットするのを避けるため」といった疑念を集めてしまいました。

両社をめぐるTwitterユーザーの反応を分けたのが謝罪対応だったのは、言うまでもありません。

両社の謝罪の時間差は1時間ほどしかありませんでしたが、いわゆる「ご不快構文」を使い、不適切投稿を削除したB社の炎上は10月13日になっても収まりませんでした。

これは、謝罪対応の中身によって炎上収束のタイミングや論調に大きな差が生じることを証明しています。

SNSの企画・運用を誤った場合は、いかに誠実な対応をできるかが重要なのです。

炎上リスクを低減するクリエイティブチェック

SNS投稿を通じて「国際カミングアウトデー」に便乗した企業のプロモーションは、2021年にもいくつか確認されていますが、当時は炎上するまでには至りませんでした。

しかし、2022年は「国際カミングアウトデー」に便乗した企業のプロモーション炎上が相次いだことを考えると「前年の投稿は大丈夫だったので今年も」という考え方は通用しないことが分かるでしょう。

炎上の傾向やきっかけとなるネタが時代の流れと共に変化していくため、「今年の投稿は大丈夫か?」という観点でのクリエイティブチェックが欠かせません。

企業の公式アカウントなどが炎上するとブランドイメージが損なわれるだけでなく、株価暴落や不買運動にまで発展する恐れがあります。

クリエイティブの制作費も無駄になってしまい、炎上に関するクレームや問い合わせなどが増えれば通常業務に支障を来すことも考えられるでしょう。

また、一度炎上した企業のクリエイティブには、消費者の厳しい視線が注がれます。これまで以上に風当たりが強くなるため、リスクヘッジに多大な手間を費やしながらのプロモーション活動を余儀なくされるのです。

こうしたことから、あらかじめクリエイティブチェックを徹底し、炎上リスクを低減させる必要があります。

「クリエイティブリスク診断」が炎上のストッパー役に

とは言え、クリエイティブチェックを自社のみで遂行するのは危険性が高く、対応も難しいでしょう。

チェックには長時間の論調分析や多角的な炎上事案とその炎上メカニズムを把握しておくことが求められます。しかし、分析ツールの導入や炎上事案の把握などには膨大な「時間」「労力」「費用」がかかります。

シエンプレが提供している「クリエイティブリスク診断」は、自社が保有する炎上事例データベースや直近の世論に基づいて炎上リスクを調査します。

展開予定のクリエイティブやプロモーションの内容、媒体に潜む炎上リスクをチェックし、結果をフィードバックする、まさに「炎上のストッパー役」となる機能です。

炎上時・炎上後も「危機対応支援サービス」で全面サポート

「危機対応支援サービス」はインターネット上の口コミやニュース記事などを収集し、ネガティブかポジティブかという論調を把握します。これを通じてインターネット上の動向を分析することで、今後のリスクの度合いを診断します。

非常時も提携会社と連携した緊急窓口のコールセンター立ち上げやマスコミ向け記者会見のセッティング・運営、プレスリリースのライティングサポートといった対応を伴走支援します。

さらに、事態が落ち着くまでの間もインターネット上の投稿やネットメディアの動きをモニタリングし、あらゆる変化を見逃さずに報告します。

検索エンジンはリアルタイムで汚染される恐れがあるため、関連キーワードは常時監視し、不適切な語句がヒットした場合は速やかに鎮静化させます。

ネット炎上のリスクを遠ざけ、有事の対応も誤らないようにするには、十分なデータと専門的な知見に基づくスピーディーかつ的確な判断が欠かせません。

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