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仮想通貨取引問題にみる、ダーク(闇)ウェブの強まる存在感

公開日:2018.02.01 最終更新日:2023.05.31

※この記事は雑誌『美楽』2018年2月号の掲載内容を一部修正の上、転載しております。

今年1月26日、仮想通貨取引所Aから仮想通貨「NEM(ネム)」が流出しました。流出額は過去最大の約580億円分に上り、2014年に仮想通貨取引所Bが消失したビットコイン114億円分を遥かに超える損害額です。
NEMは独自のアルゴリズムを採用しており、利用者の一人ひとりを監視しています。当然ながら仮想通貨取引所Aからの流出後もその行方は追跡されていました。しかし、流出したNEMは既に400を超える口座に分散し、一部は行方が分からなくなっているそうです。

報道機関によると、今回流出したNEMの一部が「ダーク(闇)ウェブ」(※1)上で取引された疑いがあるそうです。取引されたNEMは百億円超ともいわれ、流出させた犯人が、資金洗浄を目的に他の仮想通貨と取引しているものとみられています。

ダークウェブはその匿名性の高さから非合法的な取引の温床となっています。例えば、麻薬の密売やビットコインを用いた資金洗浄、偽造通貨の交換などです。ビットコインを代表とする仮想通貨の普及を背景に、ダークウェブの闇市場は年々拡大しているといわれています。

ただ、ダークウェブは単なる闇取引の場とは異なる見方もできます。それは、サイバー空間で悪意ある攻撃を行う者の動向を探る、情報収集の場としての見方です。
ダークウェブでは、ハッカーが大手企業から入手した企業秘密や個人情報が取引されることがあるうえ、取引に関する情報から大規模なクラッキング(サイバー攻撃)の予兆を察知することも可能です。
これまでサイバー空間で悪意ある攻撃から身を守るには、攻撃を受けた後に受け身の対応を取ることがほとんどでした。しかし、弊社のような専門の企業がダークウェブを監視し、攻撃の予兆をモニタリングすることで、悪意ある攻撃への事前対策が可能になるのです。

※1 特殊なソフトを使うことで接続可能な匿名性の高いWebコンテンツ

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